さようなら「PDCA」、こんにちは「OODA」

さようなら「PDCA」、こんにちは「OODA」

事業における明確な目標を設定して、目標を達成するために役立つのがPDCAです。PDCAサイクルを回すことで事業の改善が進み、効率よく事業での成果を伸ばせるのが特徴。
行動する前に計画をたてる必要があり、不確実性のある事業ではPDCAが機能しにくいデメリットもあります。想定されていない問題に対処できず、計画通りに事業が進まない場合もあるのです。
PDCAよりも想定外のことを対処しやすく、よりスムーズにサイクルを回せるのがOODA。なぜPDCAよりもOODAが優れているのか、特徴やメリット、デメリットを解説します。

PDCAよりOODA

PDCAは本来、製造業に携わる事業者が品質管理を向上するために生まれた手法です。継続的に行っている事業の効率や品質を良くして、より高い成果を作り出せるのがPDCAの強み。
例えば電化製品を製造する工場で不良品をなるべく減らしたいと考えます。不良品率を減らすために計画を立てて、問題のある箇所を改善することで対処できます。
同じ作業を繰り返しているならば、問題箇所を改善して不良品率は減らせるものです。
しかし同じ作業を繰り返さないビジネスの世界では、計画通りに行動できず改善しにくいのが難点
既に無意味な計画なのに実行したり、チャンスがあるのに計画を立てられなかったりする場合もあります。未来を予想できない分野ではサイクルを回すのに時間がかかるPDCAは不適切です。
PDCAでは対処できない想定外の問題や変化に対応するためにOODAが活用されています。環境の変化に対応できないPDCAに代わって、適応力のあるOODAは注目されているのです。

要点
PDCAの難点は計画!ビジネスの世界では計画が狂うことが日常茶飯事、そこで環境の変化にも適応できるOODAの考え方が有効!

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルは計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)を回すことで効率的に事業で成果を出せる手法です。計画から改善のサイクルを繰り返すことで、より大きな成果を作り出すことが可能。
PDCAにおいて重要なのはサイクルを回し続けるために、客観的に評価できる目標を最初に作ることです。「売上を増やす」などの単純な目標では適切な計画を立てにくくなります。
しっかりとした計画を立てなければ実行するハードルが高くなり、PDCAサイクルが成り立たなくなるのです。計画を立てるための目標があることで、適切にサイクルを回し続けられます。

PDCAサイクルは以前詳しく記事にしているため、まだPDCAを理解していない方は以下を参照してください。
Webマーケティング担当者が最低限知るべきPDCAサイクルとは? Webマーケティング担当者が最低限知るべきPDCAサイクルとは?

PDCAとOODAの違い

テクノロジーの発達により変化のスピードが速くなった今ではPDCAサイクルに従うのは難しくなっています。想定外のことが起こる中で計画から改善まで一貫したサイクルを回すのは厳しいことです。
計画を立てたら実行や評価、改善しなければならないPDCAに比べて、OODAは適応力に優れています。状況が変化したら適切なフェーズに移れるため、PDCAよりもスムーズに行動できるのが特徴。
例えば行動している時に問題が起きたらすぐに計画を見直せますし、計画を決めた後に実行するのをやめて検証することも可能です。OODAにより素早く意思決定できて問題や変化を対処できます。

OODAループとは

企業や個人が目指している成果を決めて、目標に向かって行動し続けられるのがOODAループです。計画に従って行動するPDCAとは違い、成果を出すために行動できるのが特徴。
OODAループはアメリカ空軍でパイロットとして活躍したジョン・ボイドが考えだした手法です。変化が激しい戦場の中でスムーズに意思決定するためにOODAは活用されています。
変化の速い社会においてもOODAを活用して目標に向かって行動することは可能です。最初に目標を決めて実際の行動は個人に任せることで、チームの意思を統一しながら事業を改善できます。
過去よりも未来に起こりうることを観察して、スピード感を重視して行動するのがOODAの手法。計画に執着しないから問題が起きてもループを回し続けられる強みがOODAにはあります。
OODAループには以下の4つのフェーズがあります。

OODAの4つのフェーズ
  1. Observe(観察)
  2. Orient(状況判断)
  3. Decide(意思決定)
  4. Act(実行)

適切にOODAループを回すために、それぞれのフェーズを簡単に知っておきましょう。

Observe(観察)

Observe(観察)
Observe(観察)では事業での目標を達成するために、必要な情報を収集します。さまざまな情報を得ることで目標を達成するための知恵を得られて、適切に状況判断することが可能です。
例えば店の売上を伸ばしたいという目標がある場合は、現在の売上や傾向といった情報を集めます。「平日における平均の売上個数は200個」や「7月の売上は100万円」などが集めるべき情報の一種です。
自社の売上データだけではなく、競合の状況や市場の動向なども集めることで状況判断しやすくなります。Observe(観察)では適切に行動するために幅広い情報を集めることが重要です。

Orient(状況判断)

Orient(状況判断)
Observe(観察)によって集めた情報から仮説を立てるのがOrient(状況判断)です。情報から適切な仮説を立てることで成果を上げるための行動をしやすくなり、目標達成に近づけます。
例えば「7月の売上は他の月よりも少ないから、扱う商品の需要が低い」と仮説。問題点や判断の誤りに気づくことで正しく意思決定できて、改善するための行動ができます。
状況判断で重要なのは事業での判断ミスや他社の問題点に気づくことです。問題点を見つけてOODAループにより改善することで、成果を高めて目標を達成しやすくなります。

Decide(意思決定)

Decide(意思決定)
今の状況における課題点を改善するために必要なフェーズがDecide(意思決定)です。自分で立てた仮説から生まれた選択肢を考慮して、適切な行動をできるよう計画を決定します。
「7月は商品の需要が少ないから、季節にあった商品に入れ替えて販促する」と考えて意思を決めます。意思決定ですべきことを確立して、目標に近づける計画をスムーズに実行できるのです。
問題点や課題点から仮説を考えだして、効果的であると客観的に評価できる計画を立てるのが重要。目標が曖昧だと改善点が分からず、適切な意思決定をできないので注意しましょう。

Act(実行)

Act(改善)
Decide(意思決定)によって立てた計画に従って行動するフェーズがAct(実行)です。OODAループを回し続けるために、結果を計測しながら計画を実行しましょう。
例えば商品を入れ替えて販売促進する場合は、売上を定期的に見ながら効果を確認します。売上が増えていれば仮説は正しいですし、売上が逆に下がっていれば仮説が正しくない可能性があります。
重要なのは実行により得た結果の良し悪しではなく、OODAループを回すために情報を集めることです。次のループで改善できる情報を得られるならば、失敗しても意味はあります。

PDCAのメリットとデメリット

サイクルに従って行動することで効率的に事業目標を達成できるのがPDCAサイクル。PDCAの手法を活用することで以下のようなメリットとデメリットがあります。

目標が確立するのがメリット

PDCAのメリット「目標の確立」
PDCAサイクルでは最初に明確な目標を確立して、目標達成のためにサイクルを回します。目標が確立されているから不必要な行動を改善できて、チームでの作業効率を改善することが可能です。
OODAループは目標に向かって個人が行動するため、メンバーの能力によって結果が変わる場合があります。優秀な人材がいれば成果が高まりますが、スキルがなければ失敗する可能性もあるのです。
最初にチームで計画を決定して計画通りに実行するPDCAサイクルは、メンバーの能力にバラツキがあっても大丈夫。サイクルが繰り返されることでミスをなくして改善できます。

想定外に対処できないのがデメリット

社会では予測できない変化が起こりやすく、PDCAサイクルは想定外のことに対処できないことがデメリットです。変化に対応できないと目標達成に近づける改善をできない欠点があります。
例えば7月に商品を入れ替えて販売促進する計画を立てたお店があるとします。もし新商品の発売や競合の出店といったことが起きても、PDCAの場合は計画に従って実行し続けることが必要です。
競合に勝つために新商品を取り入れてセールすべきであっても、一度立てた計画に従わなければなりません。立てた計画を無視して行動した場合、PDCAサイクルを回せないデメリットが発生します。
現実の世界では未来を予想できないのに、計画を決めたら実行する必要がPDCAにはあるのです。結果としてPDCAでは予想外に対処できず、目標を達成するための行動ができなくなることがあります。

OODAのメリットとデメリット

最初に目標を決めておき、情報を集めて行動していくのがOODAループです。OODAループのメリットとデメリットは以下の通り。

早く動けて状況変化に強い

早く動けて状況変化に強い
OODAループでは目標を達成するために守るべき計画を決めておき、実際の行動は個人で決定します。情報を集めて素早く行動できるから、環境の変化やトラブルに素早く対応できるのがメリットです。
結果の検証と行動を同時に進めるため、間違った意思決定をしたらすぐに計画を変更できます。外部や内部の状況が変化した場合は、実行することなく意思決定から観察のフェーズに移ることも可能です。
PDCAサイクルとはちがってOODAループはフェーズを順番に進めなくても問題ありません。すべきことを素早くできるからこそ、OODAループには状況変化に対応できる強みがあります。

ビジョンが必要なのがデメリット

OODAループを回すためには目標が必要であり、進むべき方向性を示すためにビジョンが必要です。達成したい企業の夢や目標がなければ、方向性が分からず適切に行動できません。
リーダーがメンバーにビジョンを語って、個人とチームの目標を統一することが必要です。単純に数値目標を達成したいのであれば、効率的に改善できるPDCAのほうが役に立ちます。

まとめ

さまざまな変化が発生して計画通りに物事を進めにくい今では、PDCAサイクルよりもOODAループのほうが活用しやすいです。臨機応変に動くことで無意味な改善を実行することを防げます。
状況が変化しにくい環境ではPDCAサイクルのほうが効率的である場合もあります。変化が速くてPDCAサイクルを回せない分野ではOODAループを活用することがオススメです。

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