目次
インバウンドマーケティングとは
近年になって注目されはじめたマーケティング手法に、インバウンドマーケティングがあります。
インバウンドマーケティングとは、自社の商品やサービスを一般の方に見つけてもらうことで購入につなげるマーケティング手法です。従来のマーケティング手法とは違い、一般の方から自発的に商品購入へと移ってもらうのが特徴。動画や画像、ブログなどのコンテンツを用いて惹きつけ、潜在顧客から顧客へと育てていきます。
インバウンドマーケティングはTwitterやGoogleといったソーシャルメディアを利用するのが主流です。検索やSNSによる拡散によって商品をみつけてもらい、商品購入へとつなげます。
現在はスマホやパソコンが普及し、ネットを利用して簡単に情報を手に入れられる時代。インバウントマーケティングは、現代ビジネスにおいてかかせないマーケティング手法といえるでしょう。
コンテンツマーケティングとの違い
インバウンドマーケティングはコンテンツを利用して関心を集めます。「コンテンツを利用して集客するのだから、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは同じではないのか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
知らない方のために説明すると、コンテンツマーケティングとは、見込み客にとって価値のあるコンテンツを提供することで自社の商品購入へと繋げようとするマーケティング手法です。
たしかに、コンテンツを利用して集客している点のみに着目すると、コンテンツマーケティング=インバウンドマーケティングと捉えてしまうのも無理はありません。
しかし、覚えておいてほしいのはインバウンドマーケティングには、商品ページを検索上位に表示させるための技術(SEO)やサービスのお試し提供なども含まれまれることです。つまり、コンテンツマーケティングはインバウントマーケティングの一部であると理解するのが最適でしょう。
インバウンドマーケティングを成功させるために、コンテンツマーケティングの手法を利用しているのです。
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングの対抗概念に、アウトバウンドマーケティングという手法があります。従来はこのアウトバウンドマーケティングが主流でした。
アウトバウンドマーケティングとは、テレビ広告、新聞広告、ダイレクトメールといったように、サービスや商品を顧客となりうる不特定多数に売り込んでいくマーケティング手法です。
インバウンドは、顧客のほうから企業に近づいてもらうように仕向けるのに対し、アウトバウンドは、企業のほうから顧客へ商品を売り出します。
客をひきよせるpull型のインバウンドマーケティングか、客に押し出すpush型のアウトバウンドマーケティングであるかの違いと理解しておくとよいでしょう。
アウトバウンドマーケティング衰退の理由
時代が進むにつれて、アウトバウンドマーケティングでは商品が売れにくくなってきています。購入の決め手が時代の変化とともに大きく変わってしまったからです。
現在はスマホやパソコンが普及しています。関心のある商品の情報はネットをつかって自分で調べられるようになりました。購入の決め手はいまやネットでの情報が多くの割合を占めているのです。
ニュースワイヤーが調査したデータによると、消費者が購入を決定する際の決め手は以下のようになっています。
1位 | ネット | 68% |
2位 | 店頭で実際に見た | 67% |
3位 | テレビ広告 | 50% |
上記のデータを見てもらえば分かるとおり、今や広告よりも、ネットでの情報の方が商品の購入を後押ししているのです。
今は自分で関心のある商品の情報を調べられるため、アウトバウンドマーケティングのように企業からサービス商品を押し出す戦略は不快感を与えてしまいます。加えて、企業側の事情として広告を打つのも、メディアによってはコストが多くかかってしまうのも原因の1つであるでしょう。
しかし、いくらアウトバウンドマーケティングが衰退してきているとはいえ、現在も一定数の効果は認められるため全く無視していいものではありません。企業はアウトバウンドとインバウンドのバランスを考えながら戦略を立てるのが重要になってきます。
インバウンドマーケティングのメリット
インバウンドマーケティングの重要性はこれまでの説明でわかっていただけたかと思います。ここからはインバウンドマーケティングのメリットデメリットについて触れていきましょう。
メリット1.低予算でできる
アウトバウンドマーケティングには広告に多額のコストがかかります。しかし、インバウンドマーケティングは従来のマーケティング手法と比べると比較的低予算で取り組むことが可能です。ホームページの維持管理やSNS運用にはそこまでお金がかかりません。
企業の予算にあわせて、投下するコストをコントロールできます。予算をあまりかけられないからといって効果が見込めないかというとそんなことはありません。うまく軌道に乗せることができれば最大限のコストパフォーマンスで顧客を獲得することが可能です。
メリット2.継続的な成果を望める
インバウンドマーケティングには、動画や画像、ブログなど何かしらのコンテンツが利用される場合がほとんどです。企業が作成したコンテンツは半永続的に残るため、継続的な成果を望めます。
広告などは期間が決められていますよね。期間がおわったら集客力は落ちる可能性があります。ビジネスは長期的な目線で考える必要があるため、継続的に成果を望めるインバウンドマーケティングにとりくむのは合理的な選択といえるでしょう。
メリット3.顧客とよい関係を築ける
インバウンドマーケティングでは顧客自ら関心をもって企業の商品やサービスを購入してくれます。アウトバウンドマーケティングのように顧客をウンザリさせるということありません。顧客とよい関係を保ったまま、やり取りを続けられます。
顧客とよい関係を築いておくことで、仮にいまの商品がダメになってしまっても、別の商品に関心を抱いてくれる可能性がありますよね。顧客を企業のファンにまで育てることができれば、将来的に多くのお金を落としてくれるため、顧客との関係は非常に重要です。
メリット4.次のサービスに繋げやすい
インバウンドマーケティングで集客したお客さんは、自ずと顧客の性質が似通ってきます。何らかの形で、企業が顧客にアプローチできる手段を確保しておけば、顧客の性質に刺さる別の商品を案内できるんですね。
例えば、インバウンドマーケティングによって和菓子を購入していただいた顧客は、普段からよく和菓子を好んで食べているかもしれません。ここで企業から別の和菓子のセール情報を顧客に伝えることができれば、また商品の購入へとつなげることができるかもしれません。
このように、同じ性質の顧客があつまるということは今後のビジネスをより行ないやすくなるのです。
インバウンドマーケティングのデメリット
次にインバウンドマーケティングのデメリットを紹介します。
デメリット1.短期間で成果を出すのが難しい
インバウンドマーケティングは、短期で成果を出すのが難しいマーケティング手法です。ネット検索から顧客をひっぱってくるにしても、Googleであれば検索上位に表示させるのに数ヶ月がかかる可能性があります。顧客にささるコンテンツを作成するにしても、最初はうまくいかないかもしれません。
インバウンドマーケティングでは短期的な成果は捨てて、コツコツと時間を投資する必要があります。長期的な計画をたてて取り組むのがよいでしょう。
デメリット2.体制作りに手間がかかる
インバウンドマーケティングを成功させるには、良質なコンテンツの継続的な投下がなにより必要です。魅力のないコンテンツでは、関心を持ってもらえないからですね。
しかし、良質なコンテンツを継続的に作成する体制を整えるのは簡単ではありません。自社でコンテンツを作成する環境を整えるにしても多くの手間がかかってしまいますよね。
そこで多くの企業は、コンテンツの作成を外注することでインバウンドマーケティングを行なっています。安定してコンテンツを投下するには、外注先とのよい関係が大切です。
安定して、良質なコンテンツを提供できるようになれば、時間の経過とともに成果が出てきます。
デメリット3.予算と成果を結び付けづらい
インバウンドマーケティングの性質上、どのくらい集客ができるか、商品購入に繋がるか予測しづらいです。どのくらいでインバウンドマーケティングが軌道にのるのかもある程度の予測はできても確実なことはいえません。
そのため、どのくらいのコストをかけてどのくらいの顧客を獲得するのか、予算を立てるのが難しくなるでしょう。企業の経営戦略にあわせて柔軟に考える必要があります。
小さく始めて、どのくらいの集客が見込めるのか試していくのがいいのか、大きくリソースを割くのがいいのか。自社の状況にあわせた予算を組むのがベストでしょう。
まとめ
インバウンドマーケティングは成功すればかなりコストを抑えて多くの顧客を集客できるため非常に魅力的です。今はネットで情報をしらべて、商品を購入するのが当たり前の時代。まだインバウンドマーケティングにとりくんでいない企業は早急に取り組むのが吉でしょう。
確かに、体制をととのえたり、成果が出るまでに多少時間がかかるのは難点ですが、長期的にみると、取り組まないのはかなりの機会損失。この記事をきっかけに是非取り組んでみてはいかがでしょうか?